0.絵に表れる子どもの心
○ 顔色は健康のバロメーターと言われるように、顔色の変化で身体の異常を知らせてくれる。同様に子どもが自由に描いた絵からも、色や形の組み合わせで、心身の健康状態を読み取ることができる。心の悩み等は絵に表れやすいのである。保護者の存在が大きすぎる(かまい過ぎ、型にはめ込み過ぎ)と自分の存在意義が次第に弱くなり、絵も萎縮した感じになる。
○ 勉強だけでなく、スポーツや性格まで兄弟や友達と比較され、悪く言われ続けると、本当に自分はダメだと思い込むようになる。自信を失った子どもの絵は弱々しく、作品の気のパワーも低い。その子の良い所を見つける努力をし、機会あるごとに褒め、自信を持たせることが大事である。
○ 時々、色数の少ない絵が見られる。クレヨン箱にはたくさんの色数があるのに、何故か数種類の決まった色しか使わない子。最近、無気力、無感動、無関心、そしてすぐに逆上する子どもや、いじめによる自殺、青少年による世間を震撼させる事件が増加している。
○ 中学校に上がるまでには幅広い体験的活動をさせてほしい。我が子と遊び、お話をする時間をたくさんつくってほしい。小さい時に心の栄養をたくさん吸収していれば主体性が育ち、自立心が生まれ、良い事や悪い事の道徳的判断力も備わってくる。
○ 今まで、自分の中に一つしか持っていなかった色(考え方、感じ方、生き方)が、友達の持つ色のすばらしさに気付き、自分の中に少しずつ友達の色を受け入れ始めるようになる。たくさんの色が自分の中に入るほど、自分の色が磨かれ、光り輝くようになる。
○ 絵を描く場合も自分の基調色を中心に、友達の持つ色と同調させながら、色彩豊かな(感性豊かな)作品(人間性)へと仕上がって(成長して)いく。
絵の技術的な良し悪しにだけウエイトを置くのではなく、もっと子どもの内面まで見てほしいものである。