96.病気とイメージ画

 アメリカでは、早くから癌患者やエイズウイルス感染者の人達が集まり、互いに励まし合いながら、体内の良い細胞が悪い癌細胞やエイズウイルスを攻撃している場面、あるいは、仲良くしている場面を想像して絵を描くという試みがなされている。

 想像力を働かしながらそういう絵を描くことでわずかではあるが、その効用が表れていると言う報告が学会で発表され、日本のマスコミでも話題になった。テレビ放送では、子どもや大人のクランケ達が描いた絵が紹介された。どの絵も自分の身体の中をのぞいているようなリアルな表現だった。

 病気を向上させることはないが、進行を遅くしたり、止まらせたりすることに効用があるという事例報告である。ただし、絵を描く人達全員がそうなるわけではない。

 たとえ、わずかな確率であっても、そういうことが可能であれば、これは奇跡と呼べるものであろう。