90.自然音のパワー

 海岸の波打ち際の音や滝から流れ落ちる音、小川のせせらぎから発せられる音は、疲れた心身を洗い清める働きがある。音は耳からだけでなく、全身の皮膚からも吸収される。私達は毎日、生活に必要な生活音や必要でない雑音を聴いて生活している。

 雑音の中には邪気を発する悪い音が多数存在する。そのような邪気を発する悪い音を毎日聴き続けると、ヘドロのように悪い物質が少しずつ体内に蓄積され、次第に本物と偽物との区別がつかなくなり、音への麻痺的症状が表れてくる。

 人が持つ五感の中で最後に残っている感覚は聴覚である。息を引き取る寸前の人の耳元で、その人の名前を大きな声で呼ぶことで、魂を呼び戻し、奇跡的な生還をすることもある。

 音の邪気に支配されている人は聴覚が麻痺し、どんなに耳元で叫んでも、魂までなかなか届かないのかもしれない。