125.心霊治療体験

 20年以上も前に、フィリピンの心霊治療を受けたことがある。大阪のホテルに二泊三日の宿泊が条件で人数も限定されていたが、治療希望者は百人以上居たと思われる。の泊まる部屋は、見知らぬ日系二世のブラジルの人と同室になった。ホテルの会議室がお祈りと心霊治療の会場になっていた。

 祈りの儀式が終わると、広い会議室の隅で心霊治療が始まる。治療希望者は、一日回の治療が受けられる。一回の治療時間は約分で終わる。治療希望者は一列に並び、順に診察台に上がる。病気が治る期待を強く抱きながら、私も順番を待っていた。

 ヒーラー(心霊治療をする人)は、フィリピンでも最高と言われる人らしい。日本語が話せないため、通訳者が相談者の悪い箇所を聞き、ヒーラーに伝えるようだ。このような不思議な現象に頭だけで決め付け、否定する人も多い。私の場合は、そういうこともあるかもしれないと思うようにしている。そして機会があれば様々な不思議体験も数多くしてきた。

 眼病の人には、まぶたと眼球の間から指を奥深くまで入れたり、腫瘍がある人は、その一番近い箇所から両手の指を入れたりして、あっという間に肉質のような黒い塊を取り出しているところを目撃した。ヒーラーがどのようにして治療しているのか、その治療風景が他の人にもすぐ近くで観察できることも凄い。

 ヒーラーは聖水で手を清め、メス等の器具を一切使わず、両手の指だけで治療をする。相談者には麻酔も全然しない。ゆえに、自分の身体の治療状態もよく分かる。私はいぼ痔で悩まされていたが、一回の治療できれいに取れていた。同部屋の人も三つあった痔が、二つは完全に取れたと言う。

 メスも使わず、体内に指先が根元まで入るという疑いを私は持たない。ヒーラーは、指先から特殊で強力な気を発し、患部に一番近い皮膚の毛穴に放出させるようだ。その毛穴が拡大され、そこから指を入れ、治療している可能性が高いと思われる。